日 時 2019年1月28日(月) 19:00-20:15
スピーカー 宮崎佑介さん(白梅学園短期大学)
場 所 GROVING BASE

当日のスライドとメモは以下からご覧ください。

スライド

メモ

当日参加者17名(世話人4名+スピーカー1名含む)

  • 市民科学との関わり
    • Web魚図鑑
    • 所属していた研究室での取り組み
  • 生物多様性情報
    • 過去の情報については取得方法が限定される
      例)本草学資料から鯨類に付着するフジツボを特定した研究(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1470160X14002465
    • 情報媒体によって信頼性が異なる
    • 信頼性高→標本、動画、写真、スケッチ、伝聞情報←信頼性低
    • 動画や写真の方が標本よりも色彩の記載に優れる
    • 動画の方が写真よりも情報量が多い
  • 情報媒体を通じた活動事例
    • 魚類データベースへの登録協力や市民参加型モニタリングなど
    • よく知られた取組みは大規模に展開している印象がある
  • 博物館の取り組み
    • 3つの役割
      資料収集、調査研究、展示教育
    • 種類
      登録博物館、相当施設、類似施設
    • 魚類写真資料データベース(http://fishpix.kahaku.go.jp/fishimage/
      • 1994年から開始
      • 2003年からGBIFに統合
      • 2015年までに167,186枚の登録あり
      • 研究者やスクーバダイバーを中心に参加 ⇔釣り人の参加が少なかった
      • 分類学、生物地理学、認知科学分野での研究に活用
      • 市民にとっては、自分の手元にある魚の正体を知ることができるというメリットあり
  • 市民科学での情報取得に関して
    • 大規模化
    • 教育効果
    • 一方で、不正確な情報が広まる危険性(医学、薬学、外来種を扱う場合は注意)
  • 情報媒体を通じた研究事例の紹介
    • 標本の入手とその活用
    • ウェブ上の画像の活用
  • ケーススタディの紹介
    • 研究者が間に入り、市民の発見を登録→論文→普及へ。
    • ケーススタディ1:ブルーギルが市民プールで発見されたという報告をTwitterで発見。宮崎さんが投稿主に連絡をとり、標本と写真を寄贈してもらう。違法放流の可能性を示唆。魚種の同定の根拠を示した上で、Zookeys(学術誌)で論文化。https://zookeys.pensoft.net/article/10755/
    • ケーススタディ2:さかなBBS(インターネット上での掲示板)に魚種の同定以来があった。写真をもとに宮崎さんが同定し、タスキモンガラ×ムラサキモンガラの交雑個体であることが判明。普及を兼ねて、『つり情報』誌(http://tj-web.jp/)で報告。
    • ケーススタディ3:東京湾のアオギスの魚拓。1枚しかないといわれていたが、市民からの情報提供により2枚目を発見。
  • テレビ番組の出演・監修
    • 東京湾大調査シリーズ3本
    • 動画(画像)と標本を博物館に寄贈
    • 従来あまり注目されてこなかったテレビ番組の映像も博物館資料として登録を進めるよう積極的に働きかけている
  • 魚拓の活用の試み
  • 活動を通じて感じる課題
    • 権利関係
      • 著作権や所有権の問題
      • クリエイティブコモンズ
      • ウェブ資料は同一URLの書き換えが可能
      • 引用の仕方が不定
      • 突然URLが消えることも…
    • 活動を発展させるには?
      • 倫理審査
      • SEとの連携が重要
      • 資金や人材の獲得

Q&Aとコメント

  • Q.ブルーギルの事例はどのように報告したのか?外来生物は生態系に影響があるから問題なはずだが、プールの中であれば生態系とは関係ないのでは。何が問題だったのか。
    • A.外来生物であり、違法放流という形で報告した。どの場所であっても外来生物を放流することは違法である。またプールに虫の卵が産み付けられるなど生態系と無縁ではない。
  • Q.Twitterで嘘の報告に遭遇した事例はあるか?
    • A.あまりない。性善説に基づいて活動している。エラーがごく一部交じることはありえるが、どこまでエラーを排除できるかはケースバイケース。
  • Q.『つり情報』に連載して、読者から新しい発見につながるような情報は来る?
    • A.編集者からの情報の中には発展性のある情報もある。一般読者からの情報からは少ない。漁師さんと組めると発展性のある情報を発掘できる可能性がある。
  • Q. データの一般への公開について
    • A. 一般からの要望があれば利用申請手続きを経て公開。ただし、密漁などにつながりかねない情報の開示などには慎重になる必要がある。
  • Q. どういう人が情報を提供している?
    • A. 解析中。どういう人が外来種情報の提供に貢献したかなど。
  • Q. 魚の標本を作るにはどうしたらよい?
    • A. 自宅で作る方法と、博物館に持ち込む方法がある。特別な薬品を使用する場合があるので、博物館に持ち込むほうが安全。